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Yコンビネーター

         


副題がよく言い得ている。
The Launch Pad : Inside Y Combinator ,Silicon valley's Most Exclusive school for Startup

たぶん自分が、IT系の分野で仕事をしているせいか、あ、あれかとかわかるけどDropBox、
エアビーアンドビーってなんの会社だっけとかなったら、読むのも大変わかりにくいだろうなぁ
とか思った。あとはヘロクって何?、、、とかなったら厳しそうだ。
なので万人受けはしないかもしれない。この手のITベンチャーわかるよって人には、この本
はワクワクできると思う。そもそもこのタイトルわかる人もかなり限られると思うし。。。

Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール
Yコンビネーター   シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクールランダル・ストロス 滑川海彦

日経BP社 2013-04-25
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新しいタイプのベンチャーキャピタルとして、Y!コンビネーターがどういう集団で、何をして
何を目指しているのかがよくわかる。そしてこの文化形成、これができた土台をも本書
により、よくわかる気がする。

目次から

第1章 面接
第2章 YCパートナー
第3章 シリコンバレーに来い
第4章 女性起業家はなぜ少ない
第5章 クレージーだがまとも
第6章 アイデアに行き詰まる
第7章 新しいものを作り続けろ
第8章 エンジェル投資家
第9章 契約は必ず成立させろ
第10章 営業マン探しは難しい
第11章 プロトタイプ発表
第12章 ハッカソン
第13章 ピボットの決断
第14章 リスクと変曲点
第15章 共同創業者がすべて
第16章 残りあとわずか2週間
第17章 最終リハーサル
第18章 離陸準備完了
第19章 デモ・デー
第20章 最後の夕食会
第21章 ソフトウェアが世界を食う

目次を見てもらうとおり、どのように始まり、どのように終わっていくのかを流れを通して
解説されている。YCの一つの学期を通してどのように考えてどのようにしているのかが
よくわかる。

本書をみてわかるのが熱い想いとか、これだというわけではなくて、そのなかで考えを
改めたりしながらテストファーストのような作り方で作っているという点。
大学生生活のの主なポイントは人を見つけるということと、早期からコンピュータに接して
わかるということが今の世界での強みになっているという事なのかもしれない。

自分がこの本から感じたのは3点

○シリコンバレーでなぜなくてはならないのか。
○ベンチャーの要は営業力であるということ。
○人が人を助けるにはアナログはまだまだある。

だった。

---

グレアムは「常に成長率に目を光らせ、何としても設定した目標成長率を達成しなくて
はならない」と檄を飛ばした。「ゲームだと思え。どうしても目標を達成しようと努力して
いるうちに何をしなければいけないのかが自然にわかってくる。集中が答えを与えてく
れる。成長率は羅針盤だ。この次に成長率を聞かれたら即座に数字が答えられるよう
にしておくんだ」

環境が社会的規範にも大きく影響する。「友だちがみな金融会社に勤めるようだったら
自分も金融会社に勤めることになる。みながスタートアップを始める環境にいれば自分
もスタートアップを始めることになる」

「グレアムがYCを運営する目的は金儲けではなく教育だ」と結論付けた

---

意外だったのが、投資額が異常に小額なのだ。2万ドルとか。これをベースに他のVCか
ら金額を引き出すというところもある。
つまりここがブートキャンプなのだろう。そこで経験という買えないものを集中して3か月
みっちり鍛える・集中する。ということもあるのかもしれない。これができるのはこの場所
だからだし、この選び抜いたメンバーだからというのはあるのだろう。

日本では育たないとかいう論は、そもそもその土壌がないからともいえるように感じて
しまった。

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2013年06月09日 21:02に投稿されたエントリーのページです。

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