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死のテレビ実験 -人はそこまで服従するのか-

         

死のテレビ実験 -人はそこまで服従するのか-

フランスのテレビドキュメンタリーより。
過激になりつつあるテレビ番組を紹介。(日本の熱湯番組も出ていた。)
実験の解説となり
被験者の選定方法、スタジオへの誘導から実験となる。
2部からは、テレビでの試験への批判と、残酷さではない服従への論点を示した。また服従へ
のするひとと服従しなかったひとの解説と説明がある。最後に3部ではテレビの批判と楽しげな
暴力の要因と虚構の支配へと展開してテレビ教とも言うべき権威への支配の解説となる。

死のテレビ実験---人はそこまで服従するのか
死のテレビ実験---人はそこまで服従するのかクリストフ ニック ミシェル エルチャニノフ 高野 優

河出書房新社 2011-08-20
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前置き:本書を読むには、まず、スタンレーミルグラムの服従の心理を読んでからでないと
ちょっと厳しいと思う。

対象:
本書の主張:テレビはいつか人の死を演出してしまうだろう。その点に警鐘を鳴らす。実際
の数値によるデータを提示したいとして提示と記載。

内容:正直なところミルグラム実験の対比が多く基礎知識としては読んでおいたほうが良い。
その上で服従は人が思っているほどではないと言うことを簡単に示してくれる。
また、孤立による服従心理操作や、観客によるテレビ的演出の危険性なども描かれる。
ここは本書の実験成果ともいえ四でおくべきだと思う。

私見:
テレビは殺人を犯せるのかが大きなテーマではあるが、ミルグラム実験の再編に対して抵抗
があるのは事実である。ただ自分はこの点からこの実験に対して評価を出したいと思う。

○クイズ番組と言うテレビでの権威の差を見るために効果があったと思う。
○ミルグラム実験における再掲は否めないが、ドキュメンタリーとして提示することは、テレビ
 的効果が出せる(矛盾するがテレビを活用して表せる。)
○観客による効果は、この実験からでしか出せない。

また行動経済学などでも指摘されているとおり、改めて考えさせられるが、人は思っている
以上に強くないのだ。本書の企画であれば、まず参加したことを完了しなければいけないと
する、実験への協力から始まり疑問を持ちながらも継続するということなのだ。
改めて思うが、抗議は、あくまでも自分の解決策でしかないということだ。抗議により、自己
正当性をあげ、再度参加するということなっているという指摘はズバリ自己への理由付けとは
改めて考えなければ見つけ出せないだろう。
また緊張による笑いに関しては本書でも解説されており、理解しておくべきだと思った。

本書から:
3つ。ラインがでたところを控えておく。

ここで一つ大切なことを記しておきたい。『電気ショック』と聞いて何か否定的な態度をとった
からといってその後、その被験者が服従しなかったわけではないということだ。

否認は実際の社会でいろいろな場面で見られる。たとえば職場で同僚に対してハラスメントが
起こっている時、大げさに騒ぎ立てているだけだとか、そうされる自分が悪いとか、ひどい場合
には、自殺があってもハラスメントがあるようには思えなかった というのはまさしくこの否認で
ある。これは、嘘をついているわけではない。良心をなだめて服従を続けるための道具にして
いるのだ。私たちは実験によって実際にそれが行われるのを観察できた。

服従に関する限りは、自由という言葉は曲者である。ある行為をするのに、本人が自由な意思
でしていると思い込んでいるならば、それ以上に完璧な服従はないからである。

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2011年09月30日 08:40に投稿されたエントリーのページです。

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